旅先に居ります→日本に居ります

海外旅行中、心配して下さる方々への生存確認日記です

雲南旅行の思い出し書き(2)

二日目


4時ごろ雷で目覚める。
寝なおすが、6時前には雷ではなく人々がうるさくて起きる。
この段階ではまだ気づいていなかったが、
この日の11:45上海発は浦東ではなく虹橋機場発。
自分の乗る便が表示されないので係員に聞いて、初めてわかった。
うっかりしてたよ。
時間がたっぷりあってよかった。
この二つの空港間はバスだと1時間で料金は30元、
地下鉄だと2時間かかるけど8元。
当然地下鉄だ。
地下鉄だけど郊外は高架。
落ちないといいな。
落ちた上に車体ごと埋められないといいな。
などと思っているうちに地下に入り、人がどんどん増えてくる。
子どもを二人連れた若い夫婦をたくさん見かけて疑問に思っていたが
夫婦が両方とも一人っ子の場合、子どもを二人産んでもいいことになっているらしい。
そりゃそうだよね、お年寄りばっかの国になっちゃうもん。


で、無事に虹橋に到着、ここからが関空〜上海より長い。
3時間半くらいかかってしまう。
でも寝てたからあっという間だった。
昆明空港は無臭。
空港まで友達が迎えに来てくれている。
が、とりあえずお手洗い。
結構並んでいる。中には大きな荷物を載せたカートをもって並んでいる人も。
んんん、どうする気?どう考えても持って入れないよね、個室に。
と思ってみていたら、なんと、扉を閉めずに・・・!
でたー!中国名物!
でも中国3回目で初めて目の当たりにした。
便器はすべて和式で、扉のほうを向いてしゃがむので何もお尻丸出しって訳じゃない。
荷物見張りながら用が足せるのならまあいいか。
しかしこれ、誰かが目の前で荷物かっぱらっても叫ぶくらいしかできないね!


私の荷物はバックパックのみなので持って入ってぶら下げました、フックに。
扉は閉めましたので、念のため申し添えますが。


さて、友達の彼氏が車を出してくれているということで携帯番号聞いてるのだけど
カード式の公衆電話しかない。
カードどこで買うのかしら、とうろついている間に友達に会った。
バラの花束を作ってくれていて、渡してくれた!
インフォメーションカウンターの前に花屋さんがあるのだ。
歓迎の花束ね。素敵。
そして彼氏の番号に電話しなくてよかった。
車を出してくれたのは友達のお母さんだった。
比較的小さな空港なので車まで歩いてすぐ、そこから40分ほどで彼女の家に着いた。
陽光あふれる豪邸マンションだ。


昆明は一年中暖かく、「春城」という異名を持つ。
冷暖房は基本的に不要だそうだ。
エコ。
彼女の家でも一応オイルヒータ的なものがあるが、ほとんど使わないという。


花や果物が安く、マンゴスチン、マンゴなどの果物がダイニングとリビングに盛ってある。バラも、20本ほどの花束がやはり二箇所に飾られている。
リッチな雰囲気!


お土産を渡してバックパックが軽くなり、
素敵な茶器でおいしいウーロン茶をいただきつつ旅の計画を練って(今更)
少し落ち着いたらまた3人で外出。
まず明日の麗江行きの夜行列車の切符を買う。
一人じゃ絶対無理だったろうな、何も調べてなかったから。
21:57昆明発、07:00麗江着の寝台車が158元。


そして、今回とっても楽しみにしていた雲南名物「渡橋米線」!!!
おいしかったー!中国最高!
かなり大き目の丼にすごく熱いスープが入っている。
別の小鉢にいろいろな炒め物などが入っており、
薄くスライスした肉、ハム、魚、それからうずらの卵
ゆでた米の麺、野菜少々が出てくる。
これを肉から順番に丼に入れていくのだ。
小鉢の炒め物は入れても入れなくてもよいらしい。


麺は一度ゆでてあるので温まればOK。
はじめに入れた肉、魚に火がとおれば食べられるのだが
ごく薄く切ってあるので、麺を静かに入れ終わる頃にはもう食べられる。


秘密はスープにある。
これは本来のスープの上に鶏肉の油を垂らして、ふたをした状態にしてあるのだ。
これのおかげで冷めにくくなっているらしい。


なにもかもおいしく、忘れた頃に丼の底から出てきたうずらの卵の
ちょうどいい半熟具合といったらうなるほどうまい。
なんとかしてくれ。


ほかの小鉢や壷に入ったピリ辛のスープもおいしかった。
雲南省は四川省と並んで、辛い物好きで有名らしいが
今日は友達が日本人も食べられるものを選んでくれているに違いない。
と、思ったら、彼女はピリ辛スープを残していた。


炒め物の小鉢のうちの
白いキクラゲのようなものを食べてみると、こりこりしておいしい。
やっぱりピリッとしてるけど。
「これは何?キクラゲ?」
「いえ、違います。これは…犬の耳」
「んー、それは聞かないほうがよかったかも」
「あ、そう?ごめんね」
しかし残すのは失礼だ。
味には問題がないのだから全ていただいた。
「空を飛ぶもの飛行機以外、四足のもの椅子以外」とは本当のことなのだ。


もうひとつ気になったのは、小鉢に入ったどう見ても芋虫っていう代物。
「これは地参です」
2,3cmの芋虫。
思い切って食べてみるとカリッサクッとした食感で
味のないかっぱえびせんのよう。
なんだ、超美味。
ほかのが辛いから箸安めにちょうどいい。


雲南名物のチーズのフライというのも出てきた。
本当にあげたチーズに近い。
これは中国人でも苦手な人が多いらしいが、日本人には問題ないだろう。
全くくせのないチーズだった。


この店にはいけすもあって、白磁の花瓶のようなものがたくさんあった。
他のは魚の形をして魚らしく泳いでいるけど
花瓶がなぜいけすに?
しかも白菜くらい大きい。
近寄って見てみると巨大な二枚貝がそろいもそろって身をべろんと外に出していた。
雲南省に海はないからデン池の貝かしら。
湖にこんなに大きな貝がいるものかしら。
蜆くらいで充分じゃないの。


そして今回初めて知ったことだけど
中国においてはレストランの紙ナフキンは有料!
箱で出てくるので、残ったものは持ち帰る。


おいしい食事の後、日本人は家に帰るけど
中国人は公園などに行ってもうしばらく語り合うのが普通とのこと。
ということで、月牙塘公園へ。
日曜の夜なのに大変な人出。
遊園地にあるような遊具もきらきら光りつつ営業中。
出店もあるし、社交ダンスを練習する中年男女もたくさんいるし
何より驚いたのは少数民族の踊りの練習風景。
たくさんの若者が輪になって踊っている。
盆踊りだ。


友達によると漢民族は輪になって踊る習慣はないそうな。


稲作が中国南部から日本に伝わったと言われているけど
他の風俗習慣も伝わったに違いない。
少数民族と日本人の共通点をひとつ発見した私は
この時点ですでに大興奮。
だって事前に読んだ雲南省の少数民族を紹介する本でも
輪になって踊る習慣が共通しているとは書かれていなかったもの。


夜、日本語を話していると危険だと言うことで
明るく、人の多い場所だけを見て回ったが
充分面白かった。


この公園は月下老人と関係があるそうで
結婚式の日に新郎新婦がやってきて車で公園の周りを回ったり
公園内で記念撮影をするらしい。



この日は友達の家に泊めてもらう。