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海外旅行中、心配して下さる方々への生存確認日記です

2015/11/28 アルビナという町の悲しい歴史

1986年のこと。
スリナムの仏領ギアナとの国境の町アルビナで内戦が起こりました。
原因は当時の大統領(先住民族の人)が側近(アフリカ系の人)と仲違いをしたとか、誤解が起きたとか、そういうことだと言われているけども真相は藪の中。
側近は出身地であるアルビナに逃げ込みますが、政府軍が攻めてきます。アフリカ系住民が応戦し、勝利を収めたかに見えましたが、大統領は地元の先住民族に依頼してアフリカ系住民を徹底的に叩き、逆転してくだんの側近を殺してしまいます。

ここからは眉唾ものですが。
アフリカ系住民が始め優勢だった理由が「不死身だから」。椅子やテーブルなんかの上に乗るなどして地面に触れていないときに銃で撃たないと、当たっても死なないんだそうです。(え?)
先住民族側が逆転出来た理由は「ジャングルのとある葉っぱを口に咥えていると透明人間になれるから」。まじか。透明人間に寝込みを襲われたらひとたまりもない。その葉っぱを口から出したらまた見えるようになるんだそうです。

この話、スリナムの公務員が真面目に語ってました。しかも1986年の話だよ。ついこの間。不思議です。

アルビナには当時の戦車や建物が廃屋となって放置されています。明るい強い日差しに対して、錆びた車体やボロボロになった建物が痛々しい。

そしてここからが本当に怖い話。
なんと今年2015年5月にこの先住民族出身の元大統領が再び大統領の座に返り咲いたのです。当時を知る人はもちろん他の候補に投票したと思うのですが、若い人や、甘い文句に騙された人が彼に投票してしまったらしいです。
そして11月末の時点で国家予算が消えて(本当に消えたらしい。もちろん誰かが自分のものにしたのだろうけど)看護師さんたちはお給料が二、三ヶ月滞ったまま働いているとのこと。教えてくれた人は警察官なのでまだ支払われてるけど。
さらに原油の価格も世界的に下がり、金やボーキサイトも値下がりし、これらの輸出で外貨を稼いでいた同国は危機的状況に。ガソリンの値上げをして国民を苦しめることになっています。